音階練習、タファネル=ゴーベール第4番をモデルに、リズムやアーティキュレーションの変化


フルートの最も大切な基礎練習のうちのひとつは、タファネル=ゴーベールの日課技術大練習曲の第4番の音階練習です。

私の愛用している音階のための練習教本は、ミッシェル・デボストの著書『フルート演奏の秘訣』の別冊として発行された『練習ノート』です。

以前は音楽之友社から発行されていましたが、現在は残念ながら高価な海外版しかありません。

ムラマツのリンク

この本では、タファネル=ゴーベールの第4番の音階が、60のバリエーションの”音階ゲーム”として展開されています。
フルーティスト必読の素晴らしい名著です。

しかし、私は15年近くもデボストの音階ゲームばかり練習していたので、少し飽きてしまいました。またデボストの音階ゲームは、各バリエーションごとにテンポが変化するので、メトロノームのテンポをいちいち変えるのが少し面倒でした。

そのような理由から、自分の練習のために音階練習を作ってみました。
フルートでは難しい明瞭な発音や、アーティキュレーションの練習が重点的にできるような組み合わせで構成してみました。メトロノームを変化させるのも4回ほどなので、全調を中断すること無く比較的スムーズにさらうことができます。15分かからずに全調をさらえるようになっています。

追記>この記事をさらに洗練させた楽譜をPiascoreから出版しました。

この記事の音階をさらに吟味し、アーティキュレーションや強弱、リズムなどに変化を加え、さらにアンブシュアや高・低音域の発音なども追加し、合計15分で練習できる内容となっております。

興味がある方は、参考動画もあるのでぜひ↓の画像からPiascoreストアを覗いてみてください。



練習の前に


・この練習の前提となるのが、タファネル=ゴーベールの第4番を暗譜しているということです。

・練習にはメトロノームを用いることをおすすめします。

・音階練習を録音することをおすすめします。音階を吹いたものを後で客観的に聴いてみると、自分の欠点がよく分かります。上手に出来なかった音階は、後で重点的に練習してみると良いかと思います。

・テンポが早すぎる場合には、指定よりもゆっくりに設定してください。4オクターブの音域が出てきますが、出来ない場合にはオクターブを下げるか、倍遅いテンポでゆっくりとさらってみることをおすすめします。

・機械的にならないよう、それぞれの音階に表情をつけて音楽的に練習してください。

Tempo 二分音符=80


(1/32) ハ長調


モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲の第3楽章のようなイメージで、美しいタンギングで練習してください。

(2/32) ハ長調 8va.


できる限り滑らかなレガートで演奏します。特に第3オクターブの音の繋がりに気をつけます。

(3/32)イ短調


フォルテで可能な限り短く鋭く、スラップタンギングに近いようなタンギングで練習してください。

(4/32) ヘ長調


ピアニッシモで、はっきりとした発音をするための練習です。

(5/32)ニ短調


シングルタンギングで練習します。モーツァルトなどの古典派の作品をイメージしてください。スラーの頭にはアクセントを軽くつけますが、強すぎないように気をつけます。
スタッカートのついた3、4つ目の8分音符をはっきりと発音しますが、タンギングが強すぎないように気をつけます。

(6/32) ニ短調 8va.


軽やかなタンギングで演奏します。スラーの初めの音をハッキリと発音しますが、アクセントが鋭くなりすぎないよう気をつけます。

(7/32) 変ロ長調


シングルタンギングで練習します。16分音符の後の8分音符がはっきりと発音できるように練習します。

(8/32) ト短調


16分音符が遅れがちにならないよう、リズムに気をつけてください。メトロノームをつけて練習したものを、録音して聴いてみると有効です。

Tempo 二分音符=100


(9/32) 変ホ長調


メトロノームを100にセットします。変ホ長調はダブルタンギングで使う”k”のみで練習します。

(10/32) ハ短調


シングルタンギングによる同音連打の練習です。
難しいですが、はっきりと発音できるように練習します。


(11/32) ハ短調 8va.


フルートの曲によく出てくるアーティキュレーションです。軽やかな発音を目指します。


(12/32) 変イ長調


レガートはなめらかに、スタッカートは対象的にはっきりとした発音を心がけます。スラーからスタッカートへの滑らかな切り替えが難しいです。

(14/32) ヘ短調


ピアノではっきりとしたアーティキュレーションを心がけます。軽やかに演奏してください。


(14/32) 変ニ長調


倍の遅さで、ゆっくりと練習します。低音をはっきりと発音してください。3連符の入りが遅れないように気をつけます。


(15/32) 変ニ長調 8va.


高音域で音色が鋭くならないよう、常にピアノで軽く演奏してください。


(16/32) 変ロ短調


ダブルタンギングで、軽やかに走るようなイメージです。


Tempo 二分音符=72


(17/32) 変ト長調


アーティキュレーションの変化をスムーズに行ないます。特にスラーの後のスタッカートが遅れないよう気をつけます。


(18/32) 変ホ短調


スラーの頭にアクセントが強すぎないように注意します。


(19/32) ロ長調


ダブルタンギングの練習です。
C管の場合には1オクターブ上げて練習してください。


(20/32) ロ長調


フラッターで演奏します。可能な限り小さい音で練習してください。


(21/32) 嬰ト短調



プロコフィエフのフルートソナタ第1楽章の展開部冒頭のイメージです。マーチのようなハッキリとした発音を心がけます。


(22/32) ホ長調


同じくプロコフィエフをイメージし、低音をはっきりとした発音ができるよう練習します。


(23/32) 嬰ハ短調


フォルテですが重くなりすぎないよう、軽やかに演奏します。16分音符のリズムが詰まりすぎないように注意してください。


(24/32) 嬰ハ短調 8va.


バロック音楽のような意識で、16分音符のリズムが詰まりすぎないよう気をつけてください。


(25/32) イ長調


はっきりとした低音の発音を目指しますが、乱暴にならないよう気をつけます。拍の頭に軽くアクセントをつけます。


(26/32) 嬰ヘ短調


8分音符の発音と、16分音符が詰まらないように気をつけます。


(27/32) ニ長調


16分音符をハッキリと発音します。


(28/32) ニ長調 8va.


サン=サーンスの鳥かごのようなイメージで、軽やかに吹ききります。


(29/32) ロ短調


ダブルタンギングの練習です。テンポが早すぎる場合には、更に遅くして練習してください。C管の場合にはオクターブを上げてください。

Tempo 二分音符=50


(30/32) ロ短調 8va.


トリプルタンギングの練習です。高音域が鋭くならないよう気をつけます。


(31/32) ト長調


32分音符の入りのリズムを正確に、発音をはっきりとしてください。


(32/32) ホ短調


シングルタンギングで、少しラテンなリズムのイメージです。




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