演奏会当日の過ごし方と、気をつけていること


楽器を演奏されるみなさんは、演奏会当日にはどのように過ごされていますか?

特に何も決めてはいない方もいらっしゃるかとは思いますが、長年オーケストラで働いているとルーチンのようなものが出来上がります。

今回は私の演奏会当日の過ごし方について、書いてみましたのでご覧いただければ幸いです。

チェコフィルの場合

私の所属しているチェコフィルでは通常、月曜と火曜の朝9時半から15時半までリハーサルがあります。

演奏会によってはリハーサルが前週から始まることもありますし、演奏旅行や音楽祭などのイベントになるとスケジュールは変わってきますが、ほとんどの場合には月、火曜日にリハーサルがあります。


演奏会当日の過ごし方


水曜の午前中にゲネラルプローベ、その日の夜に本番となります。

ゲネラルプローべは公開で行なわれることも多いので、1週間のうち一番大変なのは水曜日です。


公開リハーサルではプログラムを演奏会と同じくすべて通すことがほとんどなので、夜に本番があるので2回本番があるようなものです。

前日までのリハーサルの疲労も蓄積しているので、水曜の過ごし方は最も注意しています。

木曜と金曜は夜に本番があるのみなので、夕方まではゆっくり休んだり、別の仕事をしたりして過ごします。


水曜日の本番の日の朝は、私は早めに起きています。

朝ごはんをしっかりと食べ、シャワーを浴びて目を覚まし、10時からの公開リハーサルに臨みます。

テレビ収録や公開リハーサルの場合にはスーツや燕尾服に着替えなければならないので、8時過ぎには会場入りすることを心がけています。

リハーサルが終わるのが13時で、通常の演奏会は19時半から始まり、大抵22時ごろに終わります。

演奏会後には打ち上げをすることもあれば、すぐに家に帰ってシャワーを浴びて眠ったり、本番の録音を聴き直して眠れなくなったりしています。


演奏会当日に気をつけていること


本番当日に気をつけていることがいくつかあります。

特に気をつけていることは、以下の5つでしょうか。


1、コーヒーを飲まない

私はコーヒーが大好きで毎日3杯以上飲みますが、本番当日には飲まないようにしています。

カフェインによる影響がかなりあり、コーヒーを飲むと変に緊張して震えたり、手に汗をかいたりします。

本番が続くとコーヒーをずっと飲むことができないので、ようやく本番が終わったときに飲むコーヒーはとても美味しく感じます。


2、昼寝をする

ゲネプロ後、夜の本番まで時間がかなりあるので家に帰って昼寝をするようにしています。

これは結構重要で、疲れていると休みの小節を数え間違えたり、変なミスをしたりするためです。

もちろん、昼寝をしても常にミスはするのですが。

職場にも寝袋をロッカーに入れており、長椅子の上で寝ています。


3、チョコレートとレモンを食べ、にんじんジュースを飲む

実際に効果があるのかはわかりませんが、本番の2時間前にチョコレートを食べるようにしている。

カカオ90%以上の苦いチョコレートを食べると、本番で普段よりも集中できている気がします。

そして、レモンを皮をむいて蜂蜜をかけて食べて、人参ジュースを飲んでいます。

人参ジュースを飲んでチェコフィルのオーディションを受けたら合格したので、私にとっては願掛けのようなものです。


4、練習しすぎない

本番直前に練習しても、あまり意味がないので練習しすぎないようにしています。

本番で集中力が切れたり、指が回らなくなって普段できるところができなくなったりします。


どうしても出来ない箇所が数箇所であれば、ゆっくりとリズム練習をし、あとは火事場の馬鹿力でどうにかします。

本番直前で練習しなくても良いように、練習スケジュールは綿密に組み立てておく必要があると思います。


5、早めに会場入りする

ヨーロッパではあまり早めに会場入りすることは日本ほどはありませんが、早めに会場にいるよう心がけています。

1時間半前に演奏会場に入り、衣装にアイロンをかけたり、シャワーを浴びたり、お茶を飲んだり、同僚と喋ったりと本番までに時間に余裕を持つようにしています。

以前、本番の30分前に会場に入ったことがありましたが、慌ただしく衣装に着替えて、楽器を組み立ててホールに入って心に余裕がありませんでした。

急いでいると演奏以外のことでも何かとミスをしがちなので、できるだけ本番前の時間を十分にとるように心がけております。




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