メンデルスゾーン交響曲第4番「イタリア」(フルート・オーケストラスタディー)
オーケストラに就職する時に、オーディションで課題曲となります。
この課題となる曲は、定番のものがいくつかあります。
定番になるということは、それだけ難しいということです。
今回は、その定番曲の一つである、メンデルスゾーン作曲の交響曲第4番「イタリア」の第4楽章について研究してみましょう。
作曲の経緯
この交響曲は、メンデルスゾーンがイタリア旅行中に作曲が始められ、1833年に完成しています。イタリア滞在中に目にした謝肉祭や踊り、またゲーテの「イタリア紀行」の影響が随所に見られます。
古典的な響きの交響曲ですが、第1楽章では展開部に新しい主題が現れます。また、曲の冒頭はイ長調ですが、最後はイ短調で終わるなど、随所に新しい工夫が込められています。
第4楽章のサルタレロには、ナポリの伝統的な旋律が使われています。
楽譜
第4楽章冒頭の難しいところ
このフレーズの難しいところは、タンギングとリズム感を正確に保つことです。
指とタンギングを正確にコントロールしなければなりません。
特に難しいのが、第3オクターブに入ったところです。
運指が難しいので、指がタンギングと合わなかったり、リズムの正確さが失われたり、音程が高くなったり等々、問題がたくさん起こりがちです。
良くない例
このリズムを演奏するために、まずタンギングを考えなければなりません。
ダブルタンギングで以下の例のように演奏すると、八分休符が長くなってリズム感が崩れてしまったり、変な場所にアクセントがついてしまいがちです。
おすすめのタンギング
次のようなタンギングを使うと、音楽的にも理想で自然に聴こえます。
練習方法
まずは裏拍の真ん中の音を抜いて、以下のリズムで練習してみます。
こうすることでリズムが保ちやすくなります。
一定のリズムがキープできるようになったら、楽譜通りに吹いてみましょう。このように練習することで、身体で4/4拍子を感じながら吹くことが出来ます。八分休符が長くならないので、結果的にリズム感の良い流れるようなフレーズで演奏することができるでしょう。
動機の分析
リズムを分解すると、第1楽章冒頭でバイオリンで提示される主題との関連がよりはっきりします。