フルートの難しいフレーズ集(オーケストラ作品から抜粋)

  オーケストラで演奏していると、ほぼ演奏不可能な難しいフレーズに出会うことがあります。

そのような難易度のフレーズは、オーケストラスタディーとしてまとめられ出版されることがあまりありません。

この記事では私が演奏した作品の難しいフレーズを集め、実際にどのように工夫したかを備忘録として残しています。

今後も少しづつ譜例を増やす予定ですので、少しでも演奏の際の参考になれば幸いです。

※運指の見方については、「運指表-フルートの替え指まとめ」を参照してください。


スメタナ:交響詩「わが祖国」より、ブルタヴァ(モルダウ)


第232-239小節


演奏されることの多いスメタナの「モルダウ」のフレーズです。

3オクターブでの運指の難しさに加え、ブレスを取る箇所が非常に困難です。

モルダウ川の流れが激しくなる様子が、ブレスを吸うたびに音楽が止まってしまい台無しになってしまいます。

私は循環呼吸を使用し、できるだけテンポを止めないように気をつけています。

指揮者のテンポが非常に速い場合には、第3オクターブのGis、Fisの箇所に替え指を使うことでより安定します。

A

○●○ ‖ ●○● es

Gis

○○○ ‖ ○○○ es

Fis

●○○ ‖ ○○○ es


ドヴォルザークスラブ舞曲Op.72より第7番の終わり

非常に速いテンポで奏でられる3連符の途中に、第4オクターブのCisが出てきます。

Cis
○●●# ‖ ●○○

を使うと、Gisから簡単に音をつなげることが出来ます。

ショスタコーヴィチ ピアノ協奏曲第2番の終わり

非常に速いテンポで、通常の運指ではほぼ演奏不可能です。

3オクターブ目のD、F、G、Aは、替え指を使うと良いです。

D

B●●● ‖ ○○○ es

F

B●○○ ‖ ○○○ es

G

●○● ‖ ○○● es

A

B●●○ ‖ ●○○ es


ヤナーチェク:「タラス・ブルバ」より第2曲「オスタプの死」

何度も出てくる、静かな箇所でフルートが目立つフレーズです。

通常の運指だと、時々失敗する恐れがあるので私はesに替え指を使うことをおすすめします。

Es

H●●● ‖ ○L○R○ es




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