音楽家のお墓

音楽家のお墓

田舎に到着した時の愉快な感情の目覚め (Erwachen heiterer Empfindungen bei der Ankunft auf dem Lande)

ベートーヴェンの散歩道


 天気が良い日が続いていたので、ベートーヴェンが住んでいた場所を訪ねようとふと思い立ち出かけてきました。

ベートーヴェンとハイリゲンシュタットの組み合わせでまず頭に浮かぶのが、「ハイリゲンシュタットの遺書」です。


難聴に悩まされ、湯治のために訪れていた田舎のこの地で様々な名曲が生まれています。

彼の有名な交響曲第6番『田園』も、田舎道を散歩しながら構想を練ったといわれています。


朝の電車に乗って昼前にウィーンに到着し、まずは腹ごしらえです。

ウィーンの名物といえば、豚肉をハンマーで叩いて薄く伸ばした座布団のように大きいウィンナーシュニッツェルです。

ウィンナーシュニッツェル

これを食べたことがある人は絶対に感じると思いますが、半分くらいで飽きます(笑)

そして時間が経つにつれ、揚げたてのサクサク感がなくなってゆきどんどん重たくなってきますが、頑張って全部食べました。


食べ終わって早速、太陽が燦々と輝いているうちにウィーン北部のハイリゲンシュタットを目指しました。

ウィーン市内から路面電車に乗り、30分くらいで着きました。


ベートーヴェンの散歩道


閑静な高級住宅街の中にベートーヴェン公園があり、彼がよく散歩していたという小川沿いの道には『ベートーヴェンの散歩道』という名前が付けられていました。

ベートーヴェンの散歩道

彼の生きていた当時はこのあたりはまだ住宅街となっていなかったようです。

現在は「小さなドブ川」となっており、田園の出だしに彼が書き残した標題『田舎に到着した時の愉快な感情の目覚め』はどこにも感じられませんでした。

ベートーヴェンの散歩道
ベートーヴェンの散歩道のベートーヴェン像

丘に登る


はるばるチェコから来たのにドブ川しか見られずガッカリしましたが、すぐ近くの丘がワイン畑となっていたので登ってみました。

ベートーヴェンの見た田園風景

ベートーヴェンも見たであろう景色に、ようやく『田園』の面影を感じることができました。

ベートーヴェンの見た田園風景

手前に広がるワイン畑は、おそらく彼の生きていた当時とほぼ同じ姿をしていると思われますが、向こうに広がるウィーンの街並みは相当変化したはずです。

時間の流れに思いを馳せたり、彼の書いた『田園』の中に残されている風景を想像してみたりしました。


音楽家のお墓


ハイリゲンシュタットからウィーンの反対側には、音楽家の墓が多くある中央墓地(Wiener Zentralfriedhof)があります。


ベートーヴェン、モーツァルト、シューベルト、ブラームス、ワルツ王シュトラウスなど、有名な音楽家の墓があり、ウィーンに旅行に来た音楽家が訪れたい場所です。


今まで何度もウィーンに来ていますが、少し郊外にありなかなか来ることができなかったので、今回初めて訪れました。


下の写真は、中央がベートーヴェンの墓、右の銅像が乗っているのがモーツァルトの墓です。

中央がベートーヴェンの墓、右の銅像が乗っているのがモーツァルトの墓

これはブラームスの墓↓
ブラームスの墓

歌曲でお馴染みフーゴー・ヴォルフ↓
フーゴー・ヴォルフ

シューベルトのお墓↓
シューベルトのお墓

少し離れた場所には、12音技法で知られるアーノルド・シェーンベルクのお墓もありました↓
アーノルド・シェーンベルクのお墓

音楽家以外にも、政治家、軍人、科学者、実業家などありとあらゆる著名な墓が建っています。

中には宮殿のような巨大な墓や、華麗な彫刻や像が装飾されている墓などの中で、我々音楽家の墓は割と質素な印象を受けました。

芸術は常に貧しさと背合わせなのかもしれないと思いながら、ウィーンを後にしました。



Next Post Previous Post